リハビリテーション科
リハビリテーション科は現在、理学療法士12名、作業療法士7名、言語聴覚士3名、マッサージ師1名の構成で脳血管疾患等・廃用症候群・運動器疾患・呼吸器リハビリテーション料の施設基準(I)を取得し、総合的なリハビリテーションが提供できる体制となっております。
当院入院中患者を対象に、医師との連携のもと早期に生活や仕事、スポーツの現場に復帰されるよう、身体能力の回復を目指し、運動療法や物理療法などの治療を行なっております。
リハビリテーション科で治療にあたっている患者さんの約5割が整形外科疾患であり、スポーツ・膝疾患治療センター開設(2007年6月)以来、膝半月板、前十字・後十字靭帯損傷などのスポーツ外傷を主体に数多く携わり、ラグビーサッカー・バスケットボール・野球などの早期のスポーツ復帰に従事しております。復帰時にはBIODEXを使用し、筋力評価を行っております。
上肢・手外科部門も2018年4月以来開設され、肩から指先までの外傷や変形などによる障害のある方のリハビリテーションにも介入しております。
また、重度心身障害児(者)病棟や児童通所支援に携わり、小児疾患へのリハビリテーションも積極的に行っております。医師・看護師・児童指導員・保育士・学校教員等と連携し、医療的ニーズの高い患者さんも安心してより良い治療・教育・活動を受けていただけるよう支援しております。
さらに、外科・内科など急性期~慢性期の方々に対しても、他職種と連携しながら専門的なリハビリテーションを提供しております。
患者さんへ良質な医療を提供できるよう研究活動や治療に関する技術や資格取得にも努めております。甲府市内を一望できる恵まれた環境で、今後もリハビリテーション治療に専念してまいります。


理学療法

理学療法士は、病気や怪我の影響で衰えた筋力を回復させ、固くなった関節を動かしたりなどして、起き上がる、立ち上がる、歩くといった普段当たり前のように行っている動作を再び獲得できるように練習をします。スポーツ領域では運動方法を指導し、早期の競技復帰をサポートしています。
小児領域では身体動作への介入や筋緊張調整のためのポジショニング等に携わっています。
作業療法
作業療法士は、食事、着替え、トイレ、お風呂など身の回りのことを練習し、日常生活の復帰を目指します。住宅環境・福祉用具の検討も行っています。
また、小児に対する発達の援助も行っています。
肩から指先までの外傷や変形に対して手術された方の運動機能が回復出来るよう訓練も行っています。

言語療法

言語聴覚士は小児~成人のコミュニケーション訓練を行っています。また、嚥下障害(食事を飲み込むことが難しい状態)のある方に対して、機能改善のためのアプローチを行っています。物忘れ外来では、神経心理検査を担当し、医師と連携し、地域に貢献できるよう関わっています。
National Hospital Organization Kofu National Hospital
トピックス
2024年7月
吉井理学療法士が臨床研究の一環でアメリカのセントラルフロリダ大学へ研修に行き、前十字靭帯損傷後の筋機能不全に関する研究の権威であるグラント・ノルテ博士のもとで研鑽を積みました。

研究業績リスト
[論文、雑誌関連]
・立石貴之, 吉井諒, 山下隆, 萩野哲男:大腿骨近位部骨折患者の受傷前の歩行レベルと受傷側の関係性についての検討.日本転倒予防学会誌11:3-8,2024
・Ryo Yoshii, Yu Konishi, Satoshi Ochiai, Tetsuo Hagino, Daisuke Takeshita, Zentaro Yamagata. Abnormality in re-programing of preparatory muscle activity for landing following unpredictable events in patients with anterior cruciate ligament injury. The Knee, vol.49, 2024
・Yu Konishi, Ryo Yoshii (*double first author), Daisuke Takeshita. Tactile stimulation restores inhibited stretch reflex attributable to attenuation of Ia afferents during surprise landing. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, vol.34, 2024
・吉井 諒, 竹下 大介, 山縣 然太朗. 膝前十字靭帯再建術後の筋力低下に対する新たな治療方法としてのCryotherapy の効果. デサントスポーツ科学, vol.45, 2024
・Yu Konishi, Ryo Yoshii, Christopher Ingersoll. Gamma Loop Dysfunction as a Possible Neurophysiological Mechanism of Arthrogenic Muscle Inhibition: A Narrative Review of the Literature. Journal of Sport Rehabilitation, vol.31, 2022
・小西 優, 吉井 諒. 動作の完遂不能時のフィードフォワード制御修正の動態を抽出する新手法を使ってACL損傷発生機序を探る. デサントスポーツ科学, vol.43, 2022
・Ryo Yoshii, Yu Konishi, Daisuke Ando, Satoshi Ochiai, Tetsuo Hagino, Shohei Dobashi . Effect of Subcutaneous Tissue on Changes in Thigh Circumference Following Anterior Cruciate Ligament Reconstruction. International Journal of Sports Medicine, Vol.40, 2019
[ 学会発表 ]
・膝前十字靭帯再建術後早期における運動介入時の関節冷却療法は筋力低下を改善させる.2025.1 第11回日本スポーツ理学療法学会学術大会
・前十字靭帯損傷患者の水平面における足・下腿静的アライメント評価. 2018.11 第29回日本臨床スポーツ医学会学術集会
・前十字靭帯損傷膝に対する3軸加速度センサによる片脚立位時膝安定性評価の検討. 2017.11 第28回日本臨床スポーツ医学会学術集会
・ACL再建術前後における大腿周径変化の解釈-MRI画像評価より-. 2016.9 第42回日本整形外科スポーツ医学会学術集会
・当院におけるACL再建術後リハビリプログラムの改変とその経過についての報告. 2015.10 第69回国立病院総合医学会・膝疾患関節鏡手術後患者に対する早期からのEMS実施の有用性とその効果的な方法の検討. 2015.9 第34回関東甲信越ブロック理学療法士学会
2019年
2019 International Journal of Sports Medicineに吉井理学療法士の論文が掲載されました。